糖質をとらなければいいのかな…と大まかなことしか分からずに、具体的な方法までは知らない方も多いのではないでしょうか。
実際に糖質制限ダイエットをはじめようと思っている方も、注意をしないとリバウンドを起こすなどの逆効果が生じる可能性もあります。
今回は糖質制限ダイエットをするために知っておくべき基本と、行う際の注意点をお話します。
糖質制限ダイエットの基本
・糖質制限ダイエットのはじまり
従来の食事制限はカロリー制限がほとんどで、糖質制限はそれほど注目されてきませんでした。
しかし、もともと糖尿病治療のひとつとして行われてきた糖質制限がメタボリック症候群の予防・解消や血糖値の低下・安定につながると近年分かってきています。
そしてその効果をダイエットに応用する動きによって、糖質制限ダイエットが周知されていきました。
・糖質制限ダイエットの方法
糖質制限ダイエットは糖質が多く含まれる食品や飲料の摂取を制限するダイエット方法です。
砂糖を多く使用した料理はもちろん、炭水化物やでんぷんといった体内で糖質に変わる食品をとることも控えてください。
糖質を含む食品の例としてお米、パン、麺類などの主食となる米・麦食品や、ジャガイモ、サツマイモなど、でんぷんが含まれる食品が挙げられます。もちろん甘いお菓子や果物にも糖質が含まれています。
ここでひとつ覚えておいて頂きたいことが、お茶やミネラルウォーター以外の「清涼飲料水」には、ほぼ砂糖や人工甘味料が使われているということです。食品以外で普段口にする飲み物に気を付けることも、糖質制限のポイントになります。
・糖質制限ダイエットのしくみ
糖質を多く摂取すると、血中の糖度が増えて血糖値が上がります。血糖値が上がると「インスリン」というホルモンがすい臓から分泌され、糖質をエネルギーに変えてくれます。そのエネルギーの行き先は主に脳や内臓です。
しかし、脳や内臓がエネルギーを十分に受け取ってもなお余るほどの糖質をとっていると、余分の糖質は脂肪に変換されて体にたまっていくのです。これが皮下脂肪、内臓脂肪となり肥満の原因になります。
この余分な糖質を出さないために糖質を制限し、脂肪を減らしていくというのが糖質制限ダイエットのしくみです。
糖質制限ダイエットの注意点
しかし、糖質が含まれない肉類などは食べられますし、細かいカロリー制限も必要ないので比較的試しやすいダイエット方法です。減量効果も早く出るので人気のダイエットですが、行う際に注意をしておくべき点がいくつかあります。
① リバウンドに注意
糖質制限をしていくと、短期間で体重が減少することがあります。
そのため目標体重に達したら、これまでやってきた糖質制限をやめてしまうケースがあります。しかし、すぐに糖質制限をやめてしまうとリバウンドが発生してしまう可能性があるのです。
これは空腹時に糖質を多くとると血糖値が急に上昇するのと同様に、糖質制限時の体は糖質を吸収しやすくなっていますので、逆に脂肪をためてしまうことが原因です。短期間で急激に痩せることを目標とせず、長期的な期間で行える計画を立てたほうがいいでしょう。
② 栄養の偏り
お肉などには脂身が多く入っていることがあります。脂身は脂質の塊ですから、糖質はとっていないからといって脂身の多いお肉を食べ過ぎてしまうと、中性脂肪やコレステロール値が上がります。
そうすると怖いのが、心筋梗塞や脳卒中など生活習慣病のリスクが高まることです。お肉類で脂身の少ない食品は鶏のささみ、胸肉などが挙げられるのでこれらをバランスよくとっていくことが必要となります。
糖質の代わりとなるたんぱく質も摂取過多になると、腎臓や肝臓に悪影響を及ぼします。さらに糖質制限の対象であるお米・パン・麺類には食物繊維が含まれており、これらの食品をとらなくなると食物繊維不足に陥る可能性があります。
食物繊維が不足すると、便秘などの不調や高血圧の可能性が生じてしまうので、食物繊維不足には野菜や海草など食物繊維を多く含む食品をとり、糖質を制限しても全体的に栄養バランスのいい食生活を心がけることが大事です。
③ 意外にも糖質が含まれる食品
糖質が含まれていないと思っていても、実は糖質が含まれている食品があります。一見糖質が低そうな春雨は原料がイモや豆のでんぷんなので、うどんや蕎麦よりも多く糖質が含まれています。片栗粉、ケチャップ、みりんなどの調味料も糖質が豊富です。
バナナ・パイナップルなどの果物、ちくわ・はんぺんなどの練り物にも糖質が多く潜んでいます。「知らないうちに糖質をとってしまっていた…」となることを避けるためにも、糖質が含まれていないように見える食品も気にかけておきましょう。
正しい糖質制限ダイエットで健康的に痩せよう
糖質を制限さえすればどんな食事をしてもいいわけではありません。
糖質は人間に欠かせない栄養素のひとつです。急激な糖質制限は脂肪だけでなく筋肉の減少にもつながり、基礎代謝も悪くなります。
糖質の代わりにとる脂質やたんぱく質もとりすぎると人体に悪影響を及ぼします。健康な体になることが目的でもあるダイエットで体を壊してしまうと元も子もありません。